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2010年1月22日 (金)

マイケル as a sideman (11):Papo Vazquezの2枚

Papoプエルトリコ出身のトロンボーン奏者、パポ・バスケスのライブ盤「At The Point」に、マイケル・ブレッカーが参加している。ライブ盤っていっても、歓声やら拍手やらは録音されていないので、臨場感はさほどライブっぽくないのだけれど、ラテンの熱い感じと、クールなジャズの感じがちょうどいい具合に出ている演奏だと思う。ラテンの、ただただ能天気な、かつ、その能天気さを無理やり押しつけてくるような、そういうところが苦手な方にもお勧めできます。
1枚目は1999年、2枚目が2000年にリリースされた。知らなかったのだけど、日本盤も出ていたようだ。

パポは、チコ・オファレルのビッグバンドで聴いたことはあったけれど、リーダー・アルバムをちゃんと聴くのはこれが初めて。キングの3Bという楽器を使っているらしいが、私の楽器(キング)のイメージとはちょっと違う音色で、スティーブ・トゥーレっぽいかなぁ、フレーズの感じは違うけれど。

Vol.1
1. Baila Plena
2. Amor Gitano
3. Valz De Los Invisibles
4. La Puerta
5. Coqui
6. The Last Dynasty

Vol.2
1. The Reverend
2. It'S Only A Paper Moon
3. In This Lonely Place
4. Dominicanita
5. Juan Jose
6. Capullito De Aleli

カテゴリーからもわかると思うけれど、お目当てはパポというよりは、マイケル・ブレッカーだった。だった、と過去形で書いたのは、聴きこむうちに、マイケル抜きでも十分に素晴らしいアルバムだということが分かってきたから。
トロンボーン奏者のリーダー・アルバムとしても、ラテン・ジャズのアルバムとしても、かなり良いデキだ。日本盤を発売したメーカーはエラい。

さて。
マイケル・ブレッカーは、Vol.1の5曲目、Vol.2の1曲目と5曲目、6曲目に参加している。マイケルの幅広い音楽性は、こういうラテンの曲でも、というか、シンプルなリズムと、シンプルなメロディーの曲が多いラテン音楽だからこそ、炸裂するブレッカー節が気持いい。

Vol.1の5曲目「Coqui」、どういう意味だろうかと調べてみたところ、プエルトリコ(パポの出身地)産のカエルの事。このカエルの鳴き声が、テーマになっている。曲を聴くと、鳥の声のようなSEと、ジャングルの夜明けみたいな雰囲気だ。
Coquiの鳴き声は、以下でお楽しみください。鳥のような鳴き声。

で、まさにこの鳴き声の2音のインターバルを、曲のテーマに使っているのだ。パポとマイケルの掛け合いの形式になっていて、面白い。サビはちょっとクルセイダーズっぽかったりして、かなり気に入っている一曲。ソロはマイケルが先発、徐々に盛り上がっていくアドリブは、少し押さえ気味か。パポも負けずにいいソロを取っています。

Vol.2の1曲目「The Reverend」は、ドラムとトロンボーンのデュオ・インプロで始まるので、「お、Jazz路線か?」と思わせるが、テーマが始まると、ラテンっぽさ全開。マイケルのソロは、低音を活かした入りから、メカニカルなフレーズとラテン・リズムの取り合わせの妙がいい。ソロは短めで、トロンボーン、ピアノと続いて、短めのブリッジを挟んでベース、ドラム+パーカッションと続き、再度短めのブリッジ、その後パポとマイケルのソロ交換、テーマで終わり。おぉ、熱いっ。

デイヴ・ヴァレンティンも参加している5曲目の「Juan Jose」は、マイケルのソロは無し。贅沢な使い方だぁ。

ラストの「Capullito De Aleli」はマンボのリズムで、渋めに始まったVol.2は明るく終わります。マンボで軽くアウトしながら進んでいくソロは、絶妙。もうちょい聴きたい、というところでパポのソロへ。ノリ良く、メロディックなソロは、やっぱりプエルトリコの血なんですかね。

マイケルが参加していない曲も良いデキです。サックスのWillie Williamsも実力派(だと思う。良く知らないのだけど。)で、いいプレイをしています。
Vol.2の「It'S Only A Paper Moon」のアレンジも面白いし、バンドの一体感もあります。

もしかしたら、パポとマイケルが共演した音源が、まだまだたくさんあるんじゃないか?
あるのなら、ぜひぜひCD化して欲しいものです。2日にわたって行われたらしい、ライブの完全盤とか。

  

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